著書
ホスピタリティマネジメントが介護を変える-サービス偏重から双方向の関わり合いへ-
- 単著共著の別
- 共
- 発行又は発表の年月
- 2020年07月
- 発行所、発表雑誌等又は発表学会等の名称
- ミネルヴァ書房 (A5版)
そのような認識をふまえたうえで、「今、あなたは幸せですか?」と尋ねてみたいと思います。あなたは、どのように答えるでしょうか。この問いに対する答えは人さまざまでしょう。この答えを生み出すマネジメントこそが、実は本書で取り上げる「ホスピタリティマネジメント」なのです。ホスピタリティマネジメントは、人の幸せを願い実現させるマネジメントであります。そのためには、私たち一人ひとりが幸せにならなければ続いていきません。人を幸せにするとは、まずは自分自身が幸せになる必要があるからです。人の幸せを考えるということは自分の時間を誰のために使うのかの発想で、「自分づくり」「自分磨き」が必須になります。自分を抜きにして人の幸せを考えようとすると、いつかは化けの皮がはがれてしまうからです。
本書のテーマは、「介護」です。介護と幸せについて考えたいと出版するものです。経営学の一分野であるホスピタリティマネジメント理論の視点から、「 介護におけるホスピタリティマネジメントの実際 」を具体的なテーマにしました。
第Ⅰ部は、わかりやすい理論を取り上げ解説しました。第Ⅱ部では、具体的な事例を取り上げて研究することを意図して、第4章から第6章までの3章を配しました。2025年には団塊の世代が75歳以上になることから、75歳以上の高齢者は現在よりも700万人増えて2,026万人になることが予想されています。また、介護従事者についても38万人の不足が見込まれています。そのような状況の変化を見通しながら執筆しました。第Ⅲ部では、人間のみがホスピタリティを実践できるとの観点から人間性について取り上げました。
今から先を見て、介護に従事する人と利用する人が共に喜びあい、また社会的な課題の解決へつながる状況づくりに貢献したいと考えています。問題提起、ならびにこれからの当たり前を伝えていきたいと思います。本書のどの章にも共通しているキーワードは、「ホスピタリティ」です。ホスピタリティについては、「活私利他(かっしりた)」と表現することができます。簡単に言うと、他者を喜ばせるために自らを活かすという意味があります。すなわち、ゲストの喜びのために働く人の成長を重視している言葉であります。他者もいい状態になり自分もいい状態になるマネジメントについて具体的に述べました。
今、私たち人間が試されている分野であり、生きることの本質について問われている場が介護です。一方、お金に人を合わせようとするアプローチは人間のあるべき姿を見失う危険性があります。本書が今から先を見て介護の現場で働く人に役立ち、未来へつながるケアのあり方を生み出す一助になれば望外の喜びです。(まえがきより)
編著者: 吉原敬典(まえがき、序章、第1章〜第3章、第6章、第7章、あとがき)
共著者: 吉原敬典、三好博之、鐙勉、ひきたよしあき
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