ビジネスクリエーター研究で経営学の花を「開花」させましょう!
現在、組織の内外ともに経営環境が激変し、その様はますます複雑多岐にわたっています。消費者・生活者のライフスタイルの変化、オリジナリティの高い製品・商品企画開発の必要性、サービスの無人化・自動化と経済化の進展、仕事へのモチベーションと働き方の変化など、どれを取ってみても変容しています。また、日本を取り巻く諸外国の動きに応じて変化していかなくてはならないことについても客観的に見極め判断し意思決定することが重要であると言えます。場合によっては、環境適応するという考え方ではなく、環境に働きかけて状況をつくり出す環境創造の経営が求められていると言えるでしょう。
そこで、私たちの取り組みとして事業構想を描き担う創造的な人財の育成を急がなくてはなりません。ビジネスクリエーター研究学会では、このような人財を「ビジネスクリエーター」と呼称しています。自律的で創造性を発揮する人財と言い換えてもいいでしょう。現在は特徴のある製品・商品、また無形財としてのサービス、不特定多数の顧客、グローバルな市場について絶えず再構築することが求められています。そして、関係者と相互交流し共感性が高まったところで課題・目標にコミットし達成推進する人財の育成が不可欠です。これらのことを研究者だけではなく実務家の方々と連携して、学際的に研究し説明可能な状態にすることがビジネスクリエーター研究学会に課せられている期待課題であり、果たすべき役割であります。
さらなる知識の獲得とその知識をいかに組み合わせて創造性を発揮していくのか。ここに「未来創造へ向けての鍵」がありそうです。そのためには、一人ひとりが専門性を涵養し発揮するとともに、多くの関係者と横に繋がることが欠かせません。その中で、互いが行動しながら学ぶことを通じてプラスの相乗効果が高まると考えられるからです。
その点、経営学は極めてダイナミックであり実践する中で進化しています。「経営学の未来」は明るいと言えるでしょう。なぜならば、理論と実践を分けて考えることができないところに経営学の特性を見出すことができるからです。また、良い研究とは、「多くの人が気づいていないが重要であることを明らかにすること」です。そのためにはチャレンジングな研究課題を発見し説明可能性を高めることが不可欠だからです。
そこで、研究する上で大切なことが一つあります。それは、私たちが使用する概念を明確にすることです。そうすることで理論をさらに発展させることができます。その点、現在はありあわせのものを集めてやりくりするプリコラージュ(Bricolage)な状況にあると言えるかもしれません。
事業構想を研究対象にするビジネスクリエーター研究学会は、今後とも学際的に研究し得る知的交流ネットワークを形成し相互作用を促進するための研究のプラットフォームとして機能することを目指します。社会科学の発展と社会に貢献する学会をご一緒に創造していきましょう。皆様のご参加をお待ちしております。
ビジネスクリエーター研究学会
会長 吉原 敬典