ホスピタリティ溢れる場づくりとはー未来創造のための二項両律マネジメントへ!

財に対してサービスと言われていた頃には、サービスに特別な意味づけはなく、今日に至っています。
無形財としてのサービスが多様な意味で捉えられるようになっている現在、あらためてサービス概念を明らかにしておくことは価値があります。
では、サービスはその概念ルーツとその意味についてはどのように捉えられるのでしょうか。
サービス概念はエトルリア語から派生したラテン語の「Servus」がルーツです。もともと「仕える」という意味があり、英語の「Slave」や「Servant」に繋がっています。したがって、上下・主従の関係が常態化していることから、効率性の向上を目的にしています。また、対価の獲得が目的で経済的な活動だと言えます。マネジメントの方向性は無人化と経済化であると捉えられます。
グローバル経営がますます加速化している現在においては、このサービスを「経営の基本」にして、もう一つの価値を共創するマネジメントが求められています。
私は「ホスピタリティ価値」と表現しました。
ホスピタリティ価値とは、一人ひとりを個別的に捉え、双方向で関わり合い、補完し合う関係から生まれる価値のことで、これからの「経営の重点」として位置づけています。
わかりやすく言えば、「他ではやっていない!」「そこまでやってくれるの!」「すごいなあー!」「こんなことができたらいいのになあー!」「困っていることが困らなくなる!」「我慢していることが我慢しなくて済むようになる!」といったように、誰もが待ち焦がれている価値のことです。理論的には、「未知価値(Unanticipated value)」「願望価値(Desired value)」と表現することができます。
サービスを基本にしつつ、ホスピタリティ価値を共創するマネジメントがホスピタリティマネジメントの根幹です。これらサービスとホスピタリティは二項対立の関係ではなく、「未来創造のための二項両律マネジメント」と表現することが理論的には正しい姿です。
信頼関係を取り結び、お互いに喜び合うことを目的にしたマネジメントです!そのため、組織関係者がhappy・happyの関係になることを目指します。
そして、私たち人間には、サービスの行き過ぎを緩和したり、ホスピタリティ価値を共創するうえで欠かせない創造性発揮を促進することが求められます。
私たち人間にしかできないという意味で、「人間価値」と表現しました。「経営の土台」として位置づけています。人間価値には以下の5つの視点があり、人間を広範に捉えます。
1. 礼儀・節度、物腰、言葉遣い、ルール・約束事の遵守など。
2. ポリシー、志、想い。
3. 好きなこと・得意なこと、興味・関心領域。
4.知識をはじめとした能力、経験、活動内容・実績、資格、特技。
5.気質・性格、対人関係の基本姿勢、対人関係上の行動傾向など。
上記した「ホスピタリティ価値」「サービス価値」「人間価値」に手を打つマネジメントをホスピタリティマネジメントと言います。経営環境を客観的に捉えてみると、今まさにホスピタリティマネジメントの時代が到来したと言えるでしょう!(注)
(注) 吉原敬典(2024)「特別企画鼎談 ホスピタリティを医療界で実践するために」『学会誌華麗』.Vol.17, 2頁,日本アンチエイジング歯科学会において、「ホスピタリティマネジメントの構造図」を掲載しています。
参考文献
[1] 吉原 敬典編著(2020)『ホスピタリティマネジメント が介護を変える-サービス偏重から双方向の関わり合いへ-』ミネルヴァ書房。
[2] 吉原敬典著(2016)『医療経営におけるホスピタリティ価値–経営学の視点から医師と患者の関係を問い直す–』白桃書房。
[3] 吉原敬典編著(2014)『ホスピタリティマネジメント–活私利他の理論と事例研究–』白桃書房。
[4] 吉原敬典著(2005)『ホスピタリティ・リーダーシップ』白桃書房。
[5] Karl Albrecht, THE ONLY THING THAT MATTERS, HarperCollins, 1992.



